睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療の実際をお見せします。
※ はじめに、SASについての詳細等は、
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 CPAP(シーパップ)とは、持続的陽圧呼吸療法の略です。@が装置の本体で、図Aのように鼻マスクを顔に当てて使用します。
 このCPAP装置から送り出された空気が、鼻マスクを通り、鼻、喉、気道の順に達します。そして、この空気の圧力により、上気道が閉じないようになるのです。圧力の程度は、個々によって異なります。あらかじめ患者さんごとに最適な圧力を定め、その圧力で設定されたCPAP装置を用います。
 このCPAP装置は、1分間に60リットルぐらいまで空気を送り出す力を持っていますが、この量は、気道を陽圧に保つために必要なもので、肺の中に送り込まれる空気の量は、その中のほんの一部分です。大部分の空気は、マスク近くの穴、排気用の弁、又はもし口を開けて眠っている場合はその口から出ていきます。
 このように、大量の空気を送りながらも、実際は、そのほとんどが漏れるような仕組みで、気道を陽圧に保っています。また、患者さんが息を吸っているときも、吐いているときも、同じ陽圧になるよう調節されています。
 つまり、CPAP装置は、送り出される空気の量を、患者さんの状態により、瞬間的に変動させることができる極めて優れものなのです。

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図A
 そんなに勢いよく大量の空気が鼻から入ってくると聞くと、さぞ苦しいだろうとか、息を吐けるのだろうかと不思議に思われるでしょう。もちろん、初めて経験された方は、皆驚き、若干の抵抗感は持たれたようです。でも、療法のおかげで熟睡でき、寝起きも爽快で、日中の眠気も消失することを実感された方は、皆、CPAPを続けたいと思われているようです。というのも、「もうや〜めた。」という人が出てこないからです。毎月必ず1回は外来を受診して、この療法を続けられています。
 「CPAPは、一生続けるのですか?」という質問をよくされます。眼鏡を考えてみてください。眠っているときは外し、日中は、眼鏡をつけていますね。ちょうどこの逆と考えれば、何となく理解できると思います。基本的には、一生ものですが、もし、肥満の方が、体重を著しく減らすことができれば、CPAPをやめることも可能と考えます。また、このCPAP装置も、さらに小型化するでしょうし、どんどん改良されるでしょう。さらには、医療の進歩で、これと別の治療法が見つけられるかもしれません。現時点では、このCPAPを続けることがベストと考えます。


図B
 図B に、ある患者さんの睡眠中の呼吸状態を示します。この図の横軸は時間を示しています。一区分が1分ですので、ちょうど6分間の呼吸状態を表していることになります。 の平坦の部分(印)が無呼吸を表し、その間のわずかなギザギザが呼吸してるときです。何と1分以上も呼吸が止まっていることが分かります。は、体の中の酸素状態を示しています。無呼吸が始まると、どんどん酸素量が低下し、このグラフでは、 (酸素飽和度)が75%以下になってしまいます。通常、人間が生きていくためには、 が90%以上必要だといわれていますが、この患者さんの場合、6時間の睡眠中、その41%が、  90%未満でした。これでは、一番酸素を必要とする脳や心臓が受けるダメージは相当のものと判断されます。
は、脈拍数で、 は、イビキの音を表します。飛び飛びで表される縦の線が、イビキをかいているときです。当然のことですが、 の呼吸時にイビキが発生し、無呼吸時にイビキが消失しています。いわゆるイビキが定期的に止まるという現象は、こういうことなのです。


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